大切な方からプレゼントとしていただいた花束やアレンジメント。少しでも長く楽しみたいものです。そんな時、ちょっとしたアイデアで、お花は鮮度を保ってくれます。
そんな切花のお手入れをご紹介します。意外に簡単ですよ。
花を活ける前のお手入れ
いただいた花束やアレンジメント、綺麗にラッピングしてありますが、すぐに外してお花が呼吸しやすいようにしてあげましょう。
植物は本来、根から茎を使って水を吸い上げて、葉っぱなどから蒸散することで水を取り込んでいます。切花の茎の切り口は、水を吸収する管(導管)を、空気が蓋をした状態で、水を吸収し難くなっています。そんな時には水揚げをします。
水揚げの種類と方法
水切り
花の茎を潰さないよう、よく切れるはさみやナイフを使います。水中で茎を2~3㎝切ります。2~3回繰り返し、そのまま暫く水に浸けたままにします。ほとんどの花に適しています。
湯上げ
根元を5~10㎝出し、花は紙で包んでおきます。バケツに底から2~3㎝程熱湯を入れ、花に熱気がかからないよう注意しながら、切り口を20~30秒浸けた後、すばやくバケツの水の中に入れ、そのまま暫く休ませます。
水折り
水中で根元から2~3㎝のところを手で折ります。はさみで切るより切り口がギザギザになり、一層水を吸い上げやすくなります。茎の繊維が丈夫なキク等の花に適しています。
焼く
濡れた紙で花を包み、根元2㎝程を真っ赤になるまで焼き、炭になったらすぐにバケツの水の中に入れてショックを与えると、花の先まで水があがります。又、バクテリア等の細菌の繁殖も防ぎます。
逆水
花は葉の裏側からも水分が蒸発します。花を逆さにして、花に水がかからないよう、少し斜めにして持ち、根元の方からジョウロ等で水をかけます。
逆水
紙で花をきっちりと包み、水をいれた細身の容器に、花を真っ直ぐに立てて入れます。花丈の半分以上が水に浸かるようにして3~4時間おきます。これは水圧を利用して水揚げする方法です。
浅水
もともと水の吸収の良い花は、水を入れ過ぎると、早く咲ききってしまいます。水揚げは容器の底から2~3㎝の水で良いでしょう。
毎日のお手入れ
花の置き場所として、直射日光のあたる場所は、水温が上がり花器の中に細菌が繁殖しやすくなります。又、エアコンの風が当たる場所は乾燥しすぎます。乾燥を防ぐには、葉の裏側に霧吹きで水をかけます。
水かえ
夏は毎日、冬でも一日おきで水をかえます。花器も良く洗い、内側のぬめりを取って水の腐敗を防ぎます。又、腐敗防止に市販の延命剤を使うのも便利です。
花がら取り
花はしおれたものを取り除けば次々に咲きます。又、黄ばんだ葉やしおれた葉もこまめに取り除きます。
切もどし
水かえの時、ついでに根元を1~2㎝切って給水口を新しくします。茎が大きく変色していたらその部分は切ってしまいます。又、茎のぬめりも水できれいに洗い流します。
その他
花を長持ちさせるには、市販の延命剤を使うのも便利ですが、家庭にあるものでも充分間に合います。砂糖、中性洗剤、漂白剤、氷(夏場)、酒(冬場)等いずれも少量、数滴を花器に入れる事により、栄養を与えたり、細菌の繁殖を防いだりして花を長持ちさせる事が出来ます。
ちょっとした作業や、毎日のお手入れで、切花を楽しんでください。